独立・起業した直後に思わぬチャンスが訪れ、億単位のまとまった資金が必要となるシーンでも、創業間も無いタイミングでは1億円の資金を調達することは非常に難しいです。そこでこのページでは、創業期に1億円の資金を調達する方法について解説します。
資金調達方法は4つ
法人として資金を調達する方法として、手法としては4つの方法が挙げられます。
しかし業態や事業内容によって現実的なものと非現実的なものがあるのも事実です。
ご自身の状況や業種に合ったものを選ぶようにしましょう。
1.金融機関
もっともメジャーな資金調達が金融機関からの融資です。
金融機関と一重に言っても、様々な金融機関があります。
金融機関 | 概要 | 融資可能額 | 融資の受けやすさ |
都市銀行 | 三菱UFJやみずほなどの大手都市銀行 | 〜数十億円 | ★ |
地方銀行 | 地名を冠した、中堅銀行 | 〜数億円 | ★★★ |
信用金庫 | 個人事業主・中小企業向け | (千万円単位まで) | ☆ |
商工中金 | 安定した中小企業向け | 〜数億円 | ★★ |
政策金融公庫 | 中小企業向け全般 | 〜数億円 | ★★★ |
基本的に大手都市銀行で創業期に億単位の融資を受けるのはほぼ不可能です。
近年積極的に融資を行なっているのは地方銀行で、まず相談するなら地方銀行となると思います。一方で同じ地域に根付いた金融機関である信用金庫は億単位の融資は行なっていないことが多いようです。
政策金融公庫は創業期の数百万円単位の融資も心強い存在ですが、創業直後に億単位の融資は現実的ではありません(最大4,800万円)。また商工中金はどちらかというと創業期よりも数年経た安定期以降に頼りになるポジションになります。
そのため創業期に億単位の融資を検討する場合は、まずは地方銀行ということになります。
2.投資家/身内
金融機関以外の資金調達先として多いのが、投資家や身内から資金の援助を受ける方法です。
調達先 | 概要 | 融資可能額 | 融資の受けやすさ |
身内 | 親や親戚など、資産家であればより良い | (資産状況による) | ★★★★★ |
エンジェル投資家 | ビジョンに共感した個人の投資家 | (数百万単位) | ★★★ |
ベンチャーキャピタル | 投資専門の会社 | 〜数億円 | ★ |
経済産業省の調査でも身内からの資金調達は金融機関の次に多いため、検討すべき手法の一つですが、近年の核家族化などの影響もあり、親類・親戚と疎遠になっているケースも多く、年々その割合は低下している傾向があることからも、利用できない方も多くなってきています。また億単位の資金調達となると実行できる親類が身内にいることは極めて稀でしょう。
エンジェル投資家は事業内容やビジョンが革新的・画期的であれば資金調達の方法として検討できるかもしれません。しかし不動産投資や既存に存在するビジネスモデルなどでは魅力に欠けるため、この方法で資金を集めることは現実的では無いでしょう。また一人一人の調達額は数万円〜数百万円単位となり、億単位では多くの投資家を集める必要がありますので、プレゼン能力も求められます。
ベンチャーキャピタルは将来上場するような可能性のある企業に先行投資する会社ですので、多くの場合利用することはないでしょう。
3.クラウドファウンディング
資金調達として近年注目を集めているのがクラウドファウンディングです。サイト上で資金を募る手法で、多くの場合はサービスを割安で提供を受けられたり、商品をいち早く入手できたりと、「売上の前倒し」、前借りのような形態になっています。資金を募るのに費用はほとんどかからないため、サービス業や小売業はダメ元でも行なってみる価値があるかもしれません。
こうした性質上、投機目的や工場の設備導入、仕入れなどの目的でクラウドファウンディングを利用することは難しいでしょう。
4.ノンバンク
ノンバンクは、先述の銀行・信金などの金融機関以外で、お金を貸す業者のことを指します。
いわゆるアコムなどの消費者金融も含まれます(大手消費者金融会社は軒並み都市銀行系の資本下に入っています)。消費者金融業者で億単位の資金を調達することは不可能ですが、ノンバンクでも億単位の融資を行なっている業態があります。それは『不動産担保ローン』業者です。
不動産担保ローンとは
不動産担保ローンとは、その字のとおり "不動産を担保に融資を行う" ことです。銀行や信金も取り扱っているサービス・商品で、お金を借りる方法としては非常にメリットの多い方法です。
1.融資を受けやすい
土地や建物といった不動産は、担保とした際に金融業者側からすると「どこかに移動することができない」ことから、非常に安全な資産といえます。車を担保にしたとすると、借主がそのまま逃亡してしまったら、担保として換金できないためです。また路線価によって資産額を国によって保証されているとも考えられるので、担保の資産額の見積りのミスは最低限に抑えられることもあります。このように担保として非常に安定していることから、融資が下りやすいのです。
2.経営状態に左右されにくい
一般的に金融機関から融資を受ける際には、直近の決算書や借入状況、また融資を受ける目的について経営計画書などの作成が必要です。当然、その内容に不備や目的に問題があれば、融資を受けることはできません。創業期ではいずれも難しい条件となりますが、不動産担保ローンの場合はこのようなものは基本的に不要としている業者も多く存在します。それは先項のとおり不動産という資産が非常に担保として有効だからです。
3.目的を問わない
1億円の融資を受けて行う事業内容となると、綿密な経営計画書の作成と実績などその融資目的に対する事業の実現可能性=回収可能性を厳しく審査されることになります。しかし不動産担保ローンの場合は融資実行額は担保とする不動産の価値が中心となりますので、融資を受けた資金の利用目的は自由度が高くなります。工場機材の購入や投機目的の不動産購入はもちろん、高級スーパーカーの購入などでも利用できるのです。
4.融資実行まで早い
一般的な金融機関や国庫から融資を受ける場合、初回の受付から融資実行まで最短でも2,3ヶ月はかかります。特に億単位となるとその審査に必要な書類や計画書などの作成はより高い水準が求められるため、半年近くかかるケースもあります。一方で不動産担保ローンの場合は不動産の価値は非常に明確であるため、土地や物件の登記簿と身分証、直近の経営状況が分かる資料があれば融資を受けることができます。そのため必要書類の準備もほとんど時間を要するものはなく、最短で1週間で融資実施を受けられるケースもあるなど、資金調達のスピードは他に類を見ないものです。
億単位の不動産担保ローンを取り扱うノンバンク業者
このように創業期における実績のなさや既存の借入額などから一般的な金融機関からの融資が難しく、投資家やクラファンのような共感される事業でもない場合、ノンバンクによる不動産担保ローンが資金獲得には非常に効果的であるとお分かりいただけたと思います。
一方でどのノンバンク業者でも不動産を担保にすれば1億円単位の融資が受けられる訳ではありません。また都市銀行ほどの厳しい審査はありませんが、ノンバンク業者でも審査はありますので、必要書類は一定揃える必要があり、審査の結果融資が下りないこともあります。
それを踏まえた上で、ここからは1億円以上の融資を実施している不動産担保ローン業者をご紹介します。
1.セゾンファンデックス
大手セゾン系の個人ローン・不動産担保ローンを提供する金融業者です。 本社は東京都豊島区にありますので関東エリアの方には知名度が高いノンバンク業者です。 また関西にも淀川区西中島に大阪支店があります。 令和2年には大阪協栄信用組合と保証業務提携を行いました。
融資金額
100万円〜3億円
実質金利
2.65%〜9.9%
返済期間
最大25年
対象エリア
全国
2.アサックス
東証一部上場の大手ノンバンク業者で、融資最大金額も10億円、1.95%~の低い金利を設定しています。 関東1都3県の在住が対象になるため、関東以外では利用することはあまりないと思います。
融資金額
300万円〜10億円
実質金利
1.95%〜4.8%
返済期間
3ヶ月〜30年
対象エリア
関東圏
3.日本モーゲージ
最後にご紹介するのが、大阪天王寺にある「日本モーゲージ」です。 創業は平成20年と比較的新しい法人ですが、もともと別の貸金業者から独立して設立されており、運営の歴史自体は長く、安心して利用できる会社です。
融資金額
50万円~2億円
実質金利
7.0%~15.0%
返済期間
2ヶ月~12年
対象エリア
全国
不動産担保ローンの場合の必要書類
1億円の融資を受ける際に必要な書類は、一般的に以下のようなものになります。
・不動産登記簿謄本・公図
・決算書(確定申告書)
・印鑑証明書
・身分証明書
・納税証明書
参考)日本モーゲージ
金融業者によっては上位以外の書類の提出を求められる場合もありますので、確認するようにしましょう。
なお不動産担保ローンの場合は「登記簿」ではなく「不動産登記簿謄本」が必要であるということに注意しましょう。
億単位融資の専門サービスのご紹介
こうした実状を鑑み、大阪に本社を置く不動産担保ローン事業を行う「日本モーゲージ」では、"1億円以上に特化した不動産担保ローンサービス" を開始しています。
既存・他の金融機関で断れた
初めての1億円以上の融資
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